「恋愛」という不可思議な言葉〜本来「恋」と「愛」とは全く違う概念なのに…

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「恋愛」という言葉って、明治時代に生まれた割と新しい言葉です。


そもそも「恋」と「愛」って語源が違います。


「恋」の語源は日本人が天皇陛下を思い慕う「戀闕」という感情から、愛しい人を思い慕う純粋な情念の言葉です。


それに対して「愛」の語源は仏教用語の「愛別離苦」で、一度出会った人間は必ず死別か離別しなければならない宿命があって、その覚悟を決めろ、という厳しい悟りの言葉です。


「恋」って例えば宿命のことなんか考えずにぼんやりと相手の美しい部分だけを思い慕っていればいい、というのんきな言葉なのに対し、「愛」とは相手に執着して「別れたくない、そばにいたい」という業が深い言葉でもあります。


本来「恋」と「愛」の言葉で定義づけられている心の状態って矛盾します。

恋愛は矛盾と不可分なのです。

そしてとても不安定な状況なのです。


だから、恋愛は正論や道徳では割り切れないのです。

人間の奥底にある矛盾した心象を相手に投影させて振り回す行為だからです。


恋愛を経験することで、己の純粋さと醜さと否応なしに向き合わなきゃならないのです。


そのくらい、厳しく心身とも疲弊する行為なのです。

だから、恋愛で成長する人と、ダメになる人がいるのです。


覚悟を持った恋愛ならば、人の徳は増えると思いますが、単なる享楽的な恋愛ごっこならば、人を堕落させ周りも巻き込んで刃傷沙汰になることも少なくありません。


結局、自分をコントロールできる能力がないと、恋愛は上手くいかないのです。矛盾を乗り越える行為なので。

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