日本で「自己啓発」という概念が克服できなかったもの〜「現世は一切皆苦の場所で全ては中庸に落ち着いていく」という仏教の死生観。

アクセスありがとうございます。


もう廃れたのですが一時期自己啓発本がブームになっていました。


その本を読むだけで誰もが幸せになれる、みたいな売り文句で前向きと思われる考え方を流布して読者を集めてた本がたくさんあったのです。


自己啓発はアメリカのアングロサクソンの思想で、とにかくポジティブに向上心を持ち続ければお金も稼げて幸せになれる、という考え方がベースになっています。


しかし、日本の場合、そのような本を読んでも現実には苦しんだり悩んだりしなければならないシチュエーションの方が多いと思うのです。


仏教の考え方として、現世は全て苦しみであるという「一切皆苦」という思想があります。


これって何でも前向きならば幸せだとする自己啓発の考え方とは相容れないものです。


それから、大方の日本人って成功してお金や財産を抱え込む生き方よりも、安定して日々の暮らしをつつがなく送った方がいいという中庸の思想を実践する人の方が多いです。


この考え方も、自己啓発のそれとは違うのです。


結局、自己啓発という思想は日本では根付かないのです。

その位、日本人は平均的な思考を好んでいると言えます。